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江別市の耳鼻咽喉科-くろだ耳鼻咽喉科クリニック

まんまる新聞

【2017年6月2日号】長引く咳

咳の原因としてはかぜが最も多いと思われますが、通常2週前後で改善します。3週以上続く場合は他の原因についても考える必要があります。

 かぜに引き続き発症するものでは副鼻腔炎があります。鼻から喉に下がる粘稠(ねんちゅう)な痰のような鼻汁が喉を刺激することで咳が出ます。咳止めは無効ですので炎症を起こしている副鼻腔の治療を行う事で徐々に咳も改善します。完治には数週間を要します。子供ではかぜの度に何度も繰り返す事も珍しくありません。


 春から夏にかけては花粉症に伴う咳が出る事があります。アレルギーが喉に発症した場合は喉のいがいが、痒みと共に咳き込むようなしつこい咳が出ますが、やはり咳止めは効果が無く、抗アレルギー剤、吸入薬などが有効です。


 鼻喉以外の原因として逆流性食道炎によるものがあります。症状としては同時に胸焼け、口の中が酸っぱい感じ、喉のいがいが、ひりひりなどの違和感を伴う事がありますが、咳以外の症状を自覚しない事も多いです。胃食道の内視鏡検査で見つかる事もありますが内視鏡で異常の認められないものも相当数あるとされており、この場合は胃酸を抑える薬を2週程度試験的に使用し改善するかどうかで判断する事になります。

 過去の病気とされてきました結核、百日咳なども近年増加していることが報告されています。ワクチンの普及とともにほぼ見かけなくなっていましたが、加齢によりワクチンの効果が減弱することが原因と考えられています。感染力が強く見逃してはいけないのですが、特殊な検査が必要で結果が出るまで時間がかかること、医療関係者自身もあまり経験が無い事から診断が遅れがちになります。

 気管支、肺の病気もありますが専門ではありませんので今回は割愛させて頂きます。3~4週間以上、咳が続くようであれば受診することも考えましょう。