難聴の原因には様々なものがありますが、ありふれたところでは耳あか、中耳炎など病気を治療すれば比較的簡単に治るものから突発性難聴,メニエール病など放置しておくと後遺症を残すものもあります。
ある時から急に聞こえが悪くなった感じが生じ、しばらく様子をみて、治らないとのことで来院される方が多いですが、治療に重要な期間が過ぎてしまっていることがあり大変残念に思います。急性に起こった難聴の場合,できれば2週間以内,遅くとも1ヶ月以内には治療を行わないと十分な効果が得られません。
何か聞こえがおかしいと思われたときには,なるべく早めに受診し検査されることをお勧めします。
目が見えにくくなって眼鏡をかけることに抵抗のある方はあまりいないようですが、補聴器については、悪いイメージが浸透しているのか抵抗を示す方が見られます。
通信販売などの格安の補聴器を購入された経験のある方が、期待していたような効果が得られず、補聴器をかけても聞こえない、耳に響く、わずらわしいなどの悪印象を持っていることも多いようです。
また軽度の難聴に対して、必要以上に高価な補聴器を作製されているように見受けられることもあります。眼鏡を作るのに視力検査をせずに買う方はいないと思いますが、補聴器を作製する際にも聴力検査が必要です。また作製時には耳の形に合わせた型取りも必要で経験と技術が必要になります。
当院では必要な検査を行った後、信頼できる専門店へご紹介し、しっかりしたアフターケアーも行うようにしております。
中耳炎は昔から子供がよくかかる病気として知られていますが、近年難治性の例が増えてきています。一般に中耳炎と呼ばれているのは細菌、ウィルスなどの感染で起こる急性中耳炎を指しますが、発熱・痛み・耳漏の原因となります。
抗生剤があまり無かった時代には鼓膜切開し排膿するのが治療の主流でしたがその後、次々と新しい抗生剤が開発され内服だけで改善するようになりました。
しかし近年抗生剤に対する耐性を持つ細菌が急速に増加し始め鼓膜切開や抗生剤の点滴などを必要とする事例が多くなってきています。治りの悪い場合は、細菌検査による菌の確認と効果のある抗生剤を十分な量を使用すること・高熱・痛みが続く際には鼓膜切開のような処置を組み合わせて治療していく必要があります。
滲出性中耳炎は急性中耳炎と同様に子供に多い病気ですが、症状は耳の詰まり感、軽度の難聴程度のため、本人が訴えない場合、気付かれないで放置されていることも珍しくありません。多くの場合は年齢と共に自然軽快しますが、時には鼓膜の癒着を起こし難治性に進行することもありますので放置しておいて良いものではありません。治療期間が長期にわたることが多いため親御さんも治療方針、長期間の内服薬に対して不安を持つことも多いようです。外来での限られた診察時間で全てをお話するのは難しいため、当院では理解を助けるパンプレットをお渡ししておりますが、ご不明な点は随時おたずねください。
かぜでのどが腫れた時に首に痛みが出ることがありますが、この場合はウィルスや細菌がリンパ節に入り腫れている事が原因と考えられます。 このような痛みがあると病院を受診されることが多いようですが、腫れ・しこりがあっても痛みがないとあまりたいしたことはないと考え放置している方が多いようです。しかし、実際には何かの腫瘍ができている場合には痛みや熱などの症状が何もない場合が多く、むしろ要注意だと思われます。
甲状腺の腫れ、しこりなどはのどの違和感、つまり感として症状が出てくる場合もありますので、触診・エコー検査などで確認されてみるのが良いと思います。
以前より耳鳴りは治らないものとされていますが、これは半分は正しく半分は間違いだと思います。巷では様々な薬、健康食品、民間療法から新興宗教のパンフレットにまで耳鳴りがぴたりと止まった,という謳い文句がみうけられますが,現状では誰にでも効く特効薬はないものと思います。ただ耳鳴りはその時の体調・気分によっても良くなったり悪くなったりしますから、効くと思って使えば効く物もあるかもしれません。
病院で出る薬も同様で、全ての人に効く薬というものはありません。当院では検査により原因を調べ説明した上で希望される方には薬を処方しね気にならない方は様子を見る場合もあります。
拍動性耳鳴りや、一側の難聴が進行するような他の病気が潜んでいることが疑われる場合には、精密検査をお勧めしています。
耳鼻科でめまいを診察する理由は、耳の奥にある内耳の前庭という部分が体のバランスをとる役割をしており、内耳の異常がめまい、ふらつきの原因となるからです。めまいの原因は、内耳だけではなく脳、血液、血圧、心臓、精神的など多岐にわたりますので問診、検査を通して総合的に探っていくことになります。特に問題となるのは難聴を伴う、めまいである突発性難聴、メニエール病などで先に書いたように治療を急ぐ必要があります。
一般的な耳鼻科での検査としては聴力検査、目の揺れ(眼振)を診る検査、体位の変換による血圧測定、血液検査などがあり、必要の応じて内科・脳外科などに紹介します。
かぜをひきやすいとのことでずっと長期にわたりかぜ薬を服用されている方がいます。
それは本当のかぜなのでしょうか。通常,かぜで同じ症状が1週間以上も続くことは考えにくいのではないかと思います。花粉症(アレルギー性鼻炎)をかぜと思いこんでいる場合もありますので,一度調べてみてはいかがでしょうか。