感音難聴は主に内耳の異常で起こる難聴です。突然の感音難聴を起こす病気としては突発性難聴、メニエール病、急性低音障害型感音難聴などがあります。急に発症する感音難聴に共通する症状として、突然の難聴、耳鳴り、また時にはめまいを伴うこともあります。突発性難聴は定義としては突然に起こる中~高度の感音難聴であり原因不明のものとされています。メニエール病との鑑別として、めまいは伴ったとしても繰り返さないこと、メニエール病では低音部を中心とした難聴であることが挙げられますが、メニエール病の初回発症時には判別が難しいこともあります。
原因
急性の感音難聴で原因不明のものが突発性難聴ですが、部位としては内耳の蝸牛という場所の働きの異常により発症します。考えられていることは内耳の血液の循環の不良、内耳のウィルス感染などがあります。
治療
治療の中心は薬物療法です。以前からよく使用されているのは循環改善剤、ビタミンB、ステロイド剤などで他の急性感音難聴と共通の治療法です。血液の循環改善目的で血管拡張剤を併用することもあります。上記の治療で改善がない場合や重度の場合は、高圧酸素治療を行うことがありますが、入院が必要となったり治療できる施設が限られるため通常は重度の難聴に行われます。治療の効果は発症後の治療開始が早い程良いとされ、2週を過ぎてからは大きく低下します。発症して1月程度経過するとほぼ聴力は固定した状態となります。
難聴の程度が重度であること、発症して日数が経過していること、高齢であること、めまいを伴っている場合には改善しにくい傾向があります。めまいが先行して発症した場合に難聴があることに気付かず、または気付いても放置してめまいが収まってから受診される方がいますが、めまいが収まった頃に は難聴の治療には遅すぎる事が多いため、大変かもしれませんが早期に聴力検査をしておくことが必要です。
Q.他に急に聞こえが悪くなる病気は
A.
1. 耳垢のつまり
耳掃除の後、水泳、ふろなどで水が入った後に起こりやすい。
主に塞がった感じ時に急に改善する事もある
2. 中耳炎
かぜの後、鼻炎、副鼻腔炎が続いた時に起こりやすい。
子供に多い急性の場合は痛みもあり。
3. メニエール病
4. 聴神経腫瘍
内耳の更に奥の聴神経または前庭神経に発生する腫瘍
長期間かけて徐々に悪化することがある。MRIで確認が必要。
5. 機能性難聴、心因性難聴
強いストレスを受けたときに起こりやすい。聴力検査では難聴があるが内耳機能検査、聴性脳幹反応検査などでは異常がない。
原因を取り除くことで改善。
Q.受診するかどうか迷っている。数日様子をみても良いか?
A.治療の効果は早い程良好のため、迷ったら受診して下さい。
Q.年のせい?
A.若い方でも、時に小学生以下にも起こります。小さい子は症状をはっきりと訴えない場合もありますので、音に対する反応が鈍い、耳鳴りの訴えなどありましたら早めの聴力検査が望ましいです。