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江別市の耳鼻咽喉科-くろだ耳鼻咽喉科クリニック

まんまる新聞

【2020年10月号】 嚥下

食事は生きる上で栄養を摂るために重要であることはもちろんですが、人生の楽しみ、喜びにおいても大きな意味があります。食事が十分に摂れないことで体力のみならず気力も低下してしまうことがあります。

嚥下とは飲み込みの事ですが、食事がつまる、飲み込みにくい、鼻に逆流する、気管に入ってむせるなどが嚥下障害です。原因は様々ですが、よく見られるのは加齢に伴うものです。飲み込みの動作にはいくつもの神経や筋肉の協調が必要ですが、いずれも年齢と共に働きが衰えるのは避けられません。舌が食物をのどに送る→のどぼとけが上がって気管に入る通路を閉める→のどの奥の食道入り口の筋肉が緩んで開く、一連の動作は機械的に無意識に行われ、嚥下反射と呼ばれます。加齢と共に反射が起こりにくくなると、飲み込みの開始に時間がかかる、飲み込みが終了してものどに食物が残り何度か飲み込み動作が必要になる、のどに残った食物が気管に流れ込みむせる、更にむせる反射すら弱くなると気管に入った食物を出すことが出来ず誤嚥性肺炎の原因になることもあります。

加齢以外に病気としてはのどの神経の麻痺、脳血管の障害、筋肉の動きの病気、のどや食道の腫瘍、頚椎の変形などがあり、内視鏡、レントゲンなどで確認します。バリウムを飲んでのどから食道の通りを直接透視して確認する事も行われますが施行できる施設は限られます。

 加齢性の軽度のものであれば、食事の工夫で改善出来る場合があります。頚椎、筋肉の問題で食道入り口を通りにくい場合は柔らかい物を少量ずつ嚥下する事、気管に流れ込みむせる場合は水分にはとろみをつける、飲み込みの時に意識を集中する、飲み込んだ後にわざと咳をして喀出するなどの方法があります。中等症以上では原因疾患の治療や嚥下訓練、手術などの考慮も必要となります。