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江別市の耳鼻咽喉科-くろだ耳鼻咽喉科クリニック

まんまる新聞

【2024年6月号】ストレスと耳鼻咽喉科

 現代社会では様々な理由でストレスを受けています。強いストレスを長期間受け続けると、精神的以外に身体的な症状が出ることがあります。

 はじめによく見受けられるのはのどの違和感です。表現は様々ですが、何かがある感じ、詰まった感じ、締め付けられる感じなどが多いです。古くは何か球のようなものが挟まった感じがすることからヒステリー球と呼ばれていました。

 耳鼻科の領域ではめまいの原因となることがあります。訴えはあまりはっきりした特徴がなく、漫然としたふらふら感が多い印象です。各種検査で異常がなく、発症時期に原因となるストレスが始まったことを自覚していると疑われます。

 耳のつまり感や難聴を感じることもあります。聴力検査でも実際に異常を認めることがありますが、左右が入れ替わったり、毎回高音低音が入れ替わったりと変動が大きいと疑われることになります。通常の聴力検査以外に精密検査を行うと正常と診断されます。耳鳴りについては聴力検査では異常を認めないことが多いです。

 メニエール病はめまい、難聴、耳鳴を反復する耳の病気で、直接の原因は内耳のリンパ液の循環障害が考えられていますが、間接的にはストレスや不眠などが悪化の要因となることが知られています。

これらの症状は単独で現れるとは限らず、動悸、発汗、頭重感など自律神経調節障害の症状もしばしば伴います。

いずれも診断は他に原因となる病気がないことを確認した上で、最後に判断されることとなります。

 原因となるストレスがなくなれば症状は自然に改善することが多く、仕事が原因の場合、休職、転職をきっかけに改善することもよく見られます。とはいえ様々な事情から根本的な解決には時間がかかることも多く、対症療法が必要とされる場合には薬を使用しますが、軽度であれば漢方薬で軽快することもあります。