【2024年2月号】炎症止め、感冒薬など
・かぜで受診された患者: 発熱、のどの痛みなどの症状あり
医師: 「かぜですね、痛み止め、熱冷ましの薬を出しておきます。」
患者: 「炎症止めの薬をください。」
よくあるやり取りですが、炎症止めの薬とは何でしょうか。難病情報センターのサイトを見ますと炎症とは「ウィルスなどの微生物の感染に対して起こす生体の防御反応の一つ。発赤、熱感、腫脹、疼痛を炎症の4兆候といいます。」(一部抜粋)と書いてあります。
かぜに当てはめますと、のどの充血、腫れ、熱、痛みになります。つまり痛み止め、熱冷ましの薬が炎症止めの薬です。薬局で買うことができる、イブプロフェン、ロキソプロフェン、アセトアミノフェンなどがそれです。インフルエンザ、新型コロナにも使用できます(アスピリン、ジクロフェナクは使用しないでください)。
・耳鼻科の薬を飲んでいて風邪を引いたとき
元々アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎で薬を使用中に風邪をひいて、市販の風邪薬を使用する時に内服中の薬は止めるべきでしょうか。アレルギー止めの薬には大体は抗ヒスタミン剤が含まれます。総合感冒薬にも鼻水止めとして大体含まれています。違いとしては処方される抗アレルギー剤は新世代のもので眠気、口の乾燥、便秘などの副作用が軽減されています。総合感冒薬は旧世代の抗ヒスタミン剤が使用されることが多く、自律神経に作用する抗コリン作用を持っているため上記の副作用が出現しやすくなります。しかし抗コリン作用は同時に鼻水の分泌を減らす作用もあり効果が強く感じられる場合もあります。眠気の副作用は運転する時、学生には注意が必要です。抗ヒスタミン剤が含まれていない感冒薬の場合、もともとの内服薬を止めてしまうと鼻水、つまりが悪化しますので購入時に確認してください。また抗ヒスタミン剤単独では鼻詰まりへの効果は低いこと、風邪後の副鼻腔炎の悪化の可能性についても注意が必要です。