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江別市の耳鼻咽喉科-くろだ耳鼻咽喉科クリニック

まんまる新聞

【2025年6月号】睡眠時無呼吸症候群

 睡眠中に呼吸が止まる、または浅くなるのを繰り返す状態です。自覚はなくても睡眠が浅くなったり中断されることで熟睡できず、起床時にスッキリしていなかったり日中の眠気を感じる原因となります。呼吸が止まってる間は体の酸素が不足している状態になりますが、肺、心臓病、高血圧などの原因となることが知られています。

 原因として脳が原因の中枢性と呼吸の通路が狭くなる閉塞性がありますがほとんどは閉塞性です。閉塞する部位は舌の根が多く就寝中に筋肉が弛緩し喉に下がることで狭くなります。他に鼻つまり、扁桃の肥大なども悪化の要因となります。肥満はのどの狭窄の大きな要因ですが、欧米人に比較して日本人は肥満がない方でも下顎が小さいことが原因となるとも言われています。

 無呼吸は家族に指摘されて発覚することが多いですが、治療が必要かを確認するために睡眠中に器械を装着して検査します。簡易検査であれば自宅で自身で装着することが可能です。一定の基準を満たしていればそのまま治療に入ることもありますが、軽-中等症の結果だった場合は更に詳しい検査での判定を行います。

 治療は以前は喉の狭い部位を広げるための手術を耳鼻咽喉科で行っていましたが、近年は長期治療成績から見直しがあり、鼻から喉に空気圧をかけて喉を広げる器械を装着するCPAP治療が第一選択となっています。鼻つまりは治療の障害となりますので鼻副鼻腔炎があれば同時に治療します。欠点として、装着するマスクの違和感、空気圧により継続できない方が一定数おられ、下顎を前に出す矯正具、手術的治療などが検討されます。

 強いいびき、起床時のだるさ、日中の眠気などがある方はまず簡易検査を考えて見てはいかがでしょうか。