友達追加
WEB予約
オンライン診療

江別市の耳鼻咽喉科-くろだ耳鼻咽喉科クリニック

まんまる新聞

【2015年6月26日号】補聴器について

 補聴器は仕組みとしては講演で使われるマイクとスピーカーを小型にしたものと考えられます。耳の外に出ている部分がマイク、耳の中に入る部分がスピーカーに該当します。聞こえが遠い人全般に効果がありますが、使用の前に病気が潜んでいないかの確認が必要です。耳垢のつまり、中耳炎、急性の難聴など治療で回復の可能性がある場合は治療が優先されます。治療効果が期待できないもの、加齢性の難聴が大部分ですが、日常生活に差し支えがある場合は使用を考えた方が良いでしょう。

 お年寄りには補聴器の使用に抵抗のある方もおられるようですが、使用している事を他人に知られたくない場合や、以前に使用した時の印象が悪かった場合が多いように思われます。近年は機械の小型化により外見上はあまり目立たなくなっています。過去の使用で悪印象を持たれた方の中には、調整が不十分であった例も見受けられます。難聴にも低音が聞こえない方や高音が悪い方など様々なタイプがありますが、調整しない補聴器を使用した場合、低音から高音まで全ての音が大きく聞こえてしまい不愉快に感じる事があります。眼鏡を作る時に視力検査をしない方はいないと思いますが、補聴器も各々の耳にあった調整がされなければ十分な効果は得られません。

 内耳が原因の感音難聴の場合、補聴器は耳に入る音を大きくしてくれますが、健常な耳と全く同じ聞こえになるわけではありません。音は聞こえても言葉を判別する力は低下したままですので、相手にはゆっくり、はっきりと話してもらう必要があります。

 通信販売で安価なものも見受けられますが、性能もそれなりですので軽度の難聴以外にはあまり効果がないと思われます。
基本的に購入の費用は自己負担となりますが、一定以上の高度難聴の方の場合は公費のよる補助が受けられる場合がありますので、購入される前にまず聴力検査を受けましょう。