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江別市の耳鼻咽喉科-くろだ耳鼻咽喉科クリニック

まんまる新聞

【2018年6月15日号】首のしこり

 前回、首から上は耳鼻科の担当と書きましたが、首に出来たしこりも耳鼻科で担当しております。皮膚そのものにできる粉瘤、いぼなどは皮膚科となりますが皮下のリンパ節、顎下腺、耳下腺、袋状の囊胞などは耳鼻科担当です。

 首のリンパ節について
リンパ液はリンパ管という薄い管を通って心臓に向かって流れていますが、途中で関所のようにリンパ節が存在します。首のリンパ節の主要なものは太い血管(頸静脈)に沿って存在していますが、小さく柔らかいためしこりとして触知することは通常ありません。細菌、ウィルス、腫瘍細胞などがリンパ管から流れてきてリンパ節に捉えられると炎症を起こす、または腫瘍細胞が増殖する事により固く大きくなります。流れの方向は決まっていますので、流れ込む原因は首周辺とその上方、つまり咽頭、口腔が多いため、同時に診察することが必要となります。精密検査をお勧めしますと、痛みがないので様子を見たいと言われることがありますが、細菌性の扁桃炎やウィルス感染のような良性疾患では痛み、発熱が多く出現しますが、悪性腫瘍やその転移ではかなり大きくなっても無症状であることも多く、あまり参考にはなりません。むしろ固く弾力性が無く押しても動かないものには注意が必要です。

 顎下のリンパ節について
首のリンパ節と基本的に同じですが、腫れる原因として歯、口唇、舌など口腔内の原因が多くなります。また混同しやすいものに顎下腺があります。唾液を作る組織で正常でも強く押すと触ることが出来ます。おたふくのウィルス、唾液に石ができて管がつまる唾石症、免疫の病気などで腫れることがあります。

いずれの場合も大きくなる、数が増える、の場合には精査が必要と思われます。