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江別市の耳鼻咽喉科-くろだ耳鼻咽喉科クリニック

まんまる新聞

【2021年9月号】 耳鼻咽喉科と睡眠

 良い睡眠がとれない理由は様々ありますが、耳鼻科領域が原因になることも多くあります。息の通路である鼻、のどに問題があると睡眠中に呼吸が妨げられることで、自分でも気付かずに睡眠が浅くなることがあります。

 鼻呼吸がうまく出来ない場合口呼吸になりますが、いびきや短時間の無呼吸状態を伴うことがあります。大人では鼻副鼻腔炎による鼻汁、鼻詰まり、また睡眠剤、飲酒による筋肉の緩み、肥満によりのどが狭くなることで呼吸し難くなることが原因になります。子供ではアデノイド、扁桃の肥大によってものどが狭くなります。

 睡眠中の無呼吸を疑う場合、検査器械を装着して寝てもらい睡眠状態を測定することが出来ます。簡易検査であれば自宅での測定も可能ですが、より正確な検査では1-2泊の入院を要することがあります。

 逆に睡眠時の無呼吸により引き起こされる耳鼻科の病気もあり、呼吸路が狭くなっているときに強く息を吸おうとしたときの陰圧で胃酸がのど、耳にまで逆流すると言われています。その結果慢性の喉頭炎、中耳炎の原因となることがあり、近年小児の滲出性中耳炎でも中耳内に胃酸が確認されることがあることが知られています。

 無呼吸による不眠がある場合に睡眠剤を使用しますと、のどの筋肉が緩むことでより無呼吸が悪化する可能性があり注意が必要です。飲酒にも同様の作用があり睡眠を悪化させます。

 睡眠が十分にとれていないと、日中の眠気、集中力低下を引き起こしますが、鼻炎の治療薬によっても同じ症状がでることがあります。風邪薬、アレルギー薬には抗ヒスタミン剤が多く含まれますが、古くからあるものでは脳内にも多く入り込み、脳の活動を抑えることで眠くなることがあります。近年開発された薬では眠気の副作用を少なくしたものが主流ですが、特に市販薬においては注意が必要です。